そして、何よりイトーちゃんの40歳の御誕生日
生まれながら、苦労(96)する運命のイトーであります
さて、紆余曲折はしたものの地球滅亡予定の当日に何とかイスカンダル星に辿り着く事は出来ました
しかしそこで、スターシャがこれまで僕らの船に配信し続けていたメッセージというのは
「あなたがた地球人が放射能除去装置を使いこなすには、3.8kmの海を泳ぎ、そのあと直ぐに190km自転車を漕いでからフルマラソンをするだけの体力が必要です」
との事らしかったのデス
(注)バウリンガルで翻訳したのでホントかどうかは不明ですが…
ところが改めてイトーちゃんと愉快な仲間達(※1)を見渡してみると、ユリ子ちゃんが平泳ぎで辛うじて25M泳げるのと、先日ハタ子ちゃんが自転車に乗れる様になったばかりで、後の兄弟達は皆先天的に歩く事さえ出来ません
↑因みに左がユリ子ちゃんで、右がハタ子ちゃんです
※1 イトーちゃんと愉快な仲間たちを詳しく知りたい方は↓までどうぞ
http://vegetus.at.webry.info/200907/article_1.html
な訳で、このミッションはイトー独りで再現する事となりました
閑話休題…
(こんな下らないネタで本題を伸ばしてしまいスミマセン…(^^ゞ)
☆第一幕
大会前夜による興奮と、続々と集合してくる参加者達のバイク準備の音で、4時にセットした目覚まし時計の出番もなく3時には目が覚めて、結局そのまま目を瞑ったまま1時間近く横になっていました
そして確かに4時過ぎからゆっくりと準備をしていた筈なのに、(緊張と興奮のせいなのか…!?)何故かウエットスーツを着ようとした時には「入水チェック(海の温度などに慣れるまでの試泳)終了まであと3分です」との場内アナウンス…Why!?
まぁそれでも「入水チェックなんかしなくてもいいや」と強がりを言いながら、いざウエットのズボンに脚を通そうとした瞬間、何時もなら足首に引っ掛かる筈のアンクルバンド(マラソンで言うところの計測チップ)を車の中に置いて来た事に気付いたではあ~りませんか!?
その時に初めて(通常なら何時もバタバタしてますが…)焦り始め、結局ワセリンも塗れないままスタートした結果が↓の肩の擦り傷です
(一応、通常使ってる皮膚保護クリームは塗っていたので大丈夫だと過信していたのですが、やはりそこは1.5kmスイムとは
まぁそんな感じでバタバタとスタートしたものの、そこは3.8kmも泳がねばならない長旅です
バイクとランで勝負をする(←つまりスイムが苦手で完全に諦めムードの)僕の周囲の人達は、知人達と談笑しながら次第に深くなっていく海底を歩いてのマッタリモードでのスタートでした
※このマッタリ感が僕がスイムで好成績を残せた第一の要因だったと思います
(追想:こんなんだったらスタートなんかチョッと遅れても良いからワセリンをタップリ塗れば良かったなぁと後悔してます…)
そしていよいよ海が深くなっても、コレまた今までの短い距離の大会の様にガツガツ泳ぐ人も少ないので自分のペースで楽に泳げましたし、終始前を泳ぐ僕と同じ位のスピードの人に追いて行っただけなので、ヘッドアップでの方向確認は殆どする必要もありませんでした
※コレがスイム好成績の第二の要因かと…
(まぁ以前から↑の様にすれば良いのは判っていましたが、コレまでは最初のバトルで焦り、そんな余裕は失せてしまっていたのでしょうネ…)
そんなお陰で、中盤はドラフティングさせて貰った斜め前の人の足裏を見ながら「この人、水虫かなぁ?」と考えたり、最後の折り返し地点からは本番で初めてスイムで上げ上げモードでスパートする余裕も見えました
スイム:1時間26分36秒/446位
目標は90分だったので上出来デス
※しかし何より、イスカンダル星の海にはクラゲが生息していなかったのが好成績の最大要因だったのかもしれません(^^ゞ
それにしても、通常スイムアップの順位は後ろから数えてナンボなので、今回のようにバイクが未だ結構残ってる(つまり未だ泳いでいる人が多い)状況にはチョッとだけ優越感でした…
そんな感じで、今までに無い順調な滑り出しでバイクパートに突入デス
☆第二幕
佐渡のバイクコースは島をほぼ一周するのルートなので風光明媚なのは想像通りでしたが、地元の人の応援はその想像以上に微笑ましく且つ励みになりました
そんなお陰で、初のロングディスタンスにも関わらず(当初は、バイクは温存、ランで勝負のつもりが)結局昇り以外は最初から最後までかっ飛ばしてしまいました…(^^ゞ
バイク:6時間16分51秒/93位 スプリット:7h43'27"/123位
190kmの距離を平均速度30km/hオーバーなんて、快挙というか奇跡というか…
おまけに323人も抜ける機会など滅多にないので非常に気持ち良かったデス
※唯これもやはり、地球とイスカンダル星の重力の違いのお陰かも…!?
まぁ上りではどんどん抜かされ下りだけでどんどんその人達を追い越していった事から、脚力ではなく単に「ディープリムホイールとエアロヘルメット効果」という噂もチラホラ聴こえてきます…
(ランやスイムと違って、バイクだけはスピードはお金で買える事を、改めて実感した次第デス)
☆第三幕
ここでバイクを降りる間際に通過時間を確認すると、何と未だ13時45分ではあ~りませんか!?
一応最後のランはトライアスロン第四のパート(←つまりフィニッシュ後の宴会)の次に得意なパートなので、これは目標としていた12時間台を大きく上回る11時間台か!?なんて錯覚しながらランパートも気分良くスタート出来ました
以下は5km毎のラップです
05km:26'04"
10km:27'46"
15km:29'12"
20km:28'48"
確かに少しずつ疲労感は増していったものの、この時点では未だ残り半分も何とか気力と粘りでキロ6分以内で行けそうな感じではいましたし、ぶっちゃけ11時間台は勿論ランパートのサブ4も狙っていましたv(^_^)v
ところが…
最後になって自転車でかっ飛ばしたツケが回って来たのでしょう、20km過ぎからは腕を大きく振らないと脚も上がりません
何時もはドンドン皆を追い越せるランですが、そこは流石に佐渡、逆にドンドン抜かされて行きます
それも殆どが僕よりゼッケンの大きい、つまり41歳以上の方々なのには驚きというより笑うしかありません
「恐るべし、イスカンダル星のトライアスリート達…」
35km(15kmラップ):1h44'53"
↑のスピードは7分/kmなんて計算する余裕は勿論、その途中に5km毎の掲示があったか否かさえ思い出す余裕さえ有りません
バイクの時は極力声や手を上げて声援に応えていたイトーちゃんも、脚を前に運ぶ事以外は何もしたくありませんでした
42.2km(7kmラップ):54'02"(キロ7分30秒、早歩きと大差なし)
たった7kmがこれ程長く感じたのは今までには無かったです
差し詰め阿鼻叫喚と言った所でしょうか(もうそれ以上、表現のしようがありません)
しか~し
スタート前にはスターシャから
「今後あなたがどんなに苦しいと感じたとしても、耐えられない地獄は私の星にはありません。それだけはどうか忘れないで下さい」
という言葉を信じ、最後まで歩かずに走り続ける最低目標だけは達成出来ました
それに、そんな地獄の責め苦に耐えたからこそ佐和田の商店街のウィニングロードに還って来られた時の感動はひとしおでした
イトーちゃん、ここで不覚にも涙がポロッと…
ゴールの瞬間は周囲の喧騒は何も聴こえなくなり、今まで練習してきた成果がこの刹那の中に凝縮されていくような感じでした
※コレこそ宇宙戦艦ヤマトのワープと同様、時空を越える原理なのかもしれません
佐渡Aタイプを笑顔でゴールする!
そんな儚い夢を抱きながら、この瞬間のためだけに、これまで仕事もせずにバカになって練習してきたようなもんです
ラン:4時間30分10秒/177位
合計:12時間13分50秒/127位
そしてワープ状態から通常の3次元空間に戻って来て最初に想像していたのは、プレスからお呼びが掛かりインタビューを受ける事でしたが…
現実には完全に無視されてしまいました(笑)
※後で聞いた話では、インタビューは地元の方だけらしいですネ…/(^^ゞ
でも折角なので最後に、バイクに載っている最中ず~っと考えていたインタビューの内容を此処で御披露致します
(※それでは200Q年9月6日のパラレルワールド、スタート!)
>アナウンサー:
先ずは完走おめでとうございます
イトーさん、今日は丁度40歳の誕生日と御聞きしましたが…
>イトー:
ハイ、それまでは25m泳げばアップアップだったのが楽に泳げる方法が判り、それまでは遠い夢だった佐渡Aが現実味を帯びてきたのが去年の1月でした
それで直ぐにカレンダーを見たら今年の大会がちょうど40歳の誕生日だったんです
その時に期間としては短いけど、やるなら今年しかないと決意したんです!
>アナ:
今、この完走の喜びを誰にお伝えしたいですか?
>イトー:
先ずは島の皆さん並びに大会関係者の皆さん、こんな素晴らしい機会を提供して戴いたことに感謝しています
そしてチームオクヤマのみんな、皆の励ましや練習を一緒にしてくれたお陰で予想以上のタイムで完走出来ました
あと家族の皆さん、仕事もせずに一日中走ってばかりいた僕に対して文句も言わず黙っていてくれた事には正直申し訳なく思っていました
明日からはちゃんと今後の身の振り方を考えます
そして何より、母さんと天国にいる父さん、こんな頑丈な身体に産んでくれた事は何よりの宝物です!
>アナ:
それではイトーさん、来年もまた来てくれますよネ!?
>イトー:
いや、それだけはチョッと考えさせて下さい(笑)
(パラレルワールド、おしまい)
結局、後に残ったのは…
極度の筋肉痛と異様なまでの空腹感だけでしたとさ
めでたし、めでたし
(佐渡トライアスロン奮闘記'09は、これにて終了です)
☆カーテンコール
さてさて…
今回の佐渡トライアスロンは地球滅亡の危機を救うための試練でもありましたが、個人的には今後の人生の啓示を聴く手段でもありました
しかし僕の心の師であるジョナサン・リヴィングストーンは、これ位の試練では何も教え諭してはくれないみたいデス
※せめてヒント位はくれると思ったのですが…
そこで、暫しトライアスロンの鍛錬は休止し「次なる修行は何じゃらホイ!?」と、イトーちゃんと愉快な仲間達の間で相談し合った結果、それは
「四国八十八箇所御遍路参りを全行程、歩き&野宿で一周する!」
という事が圧倒的多数で閣議決定されました
という訳で、次回の当ヘッポコ日記は「四国行脚の旅~出発編」となる予定です
それでは皆さん、乞うご期待下さい
そして特に四国の皆様、どうか宜しくお願い奉り候
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