★Take1
先日大学の秋入学が少数に留まっているという記事を読み、私は日本の全ての大学が秋入学になるのが望ましいと思った。
先ず最初の利点は高校在学時からで、それは受験を意識した知識詰め込み型ではない本来の「学び」が出来ることである。つまり大学を秋入学にすれば本格的な受験勉強は卒業式が終わってからでも十分なので、高校3年間は受験とは無縁な学園生活が満喫出来るようになる。
また高校卒業から大学入学までの約半年間は受験勉強だけでなく社会人になる前のモラトリアムとして使っても良いだろう。アルバイトをするも良し、地域のボランティアに参加してみるも良し、余裕があれば海外への見聞旅行などもその後の人生を充実したモノにする礎となるかもしれない。
そしてもう一つの利点は、高校生までは春、大学生は秋卒業になることで日本独特の新卒一括採用制度と、それが生んだ一番の弊害「就活」なる因習が廃れることである。大学とは本来知識と教養を育むための研究教育機関であって、企業に都合の良い人材を生み出す就職予備校では決してないことを私達の多くは忘れてしまっている。そんなガラパゴス化した今の日本の異様な大学事情を教え正してくれるのは、因果にも秋入学で増えると予想される外国人留学生なのかもしれない。
2011/12/25
★Take2
私は大学の秋入学制は世界に通用する人材育成のためだけにあるとは思わない。例えば大学入試を高校卒業後の翌夏に行えば、大学進学希望の学生には約半年間の猶予期間が与えられるだけでなく、貴重な高校生活が「受験」というシガラミから解放されることにもなる。高校側は学問本来の面白さを教えられるようになり、学生も三年間丸々有意義な学園生活を送れるようになる。本格的な受験勉強は卒業式が終わってからでも十分だろう。しかし折角誰にも束縛されない自由な時間が半年もあるのである。私はボランティアや国内外への放浪の旅をお奨めしたい。そこでは様々な人々の様々な生き方考え方と出会え、多くの刺激や教訓を得られる筈である。時には高校時代に考えていた進路とは全く別の道を発見するかもしれない。でもそれこそがこの猶予期間のもう一つの利点でもある。色んな経験をした上で選んだ大学なのだから入学後の学習意欲や向上心も決して失せることはないだろう。少なくても偏差値やブランドで何となく大学を選ぶ現状よりは意義はある筈だ。それでもこの半年の猶予期間が無駄だと考える人は、大学入学後の数年間が殆ど勉強しない猶予期間となってしまう今の制度の方が断然無駄だということに恐らく全く気付いていない。
※2012/10/29