一見似ても似つかぬ両者だが、是が非でも外からの金を呼び込みたい徴税側と、1円でも出ていく金を減らしたい(リターンを増やしたい)納税側という関係性においては同じである。そして税の本来の目的から逸脱している点においては全く変わりはない。
しかし前者ばかりが問題視され、後者にはお咎めがないどころか益々加熱していく状況に私は一抹の不安を感じる。
まず、とある自治体が遠い地に住む納税者のご機嫌をとることに夢中になったり、赤字覚悟で返礼品を提供している点だ。もしそれで地元へのサービスがおざなりになったら本末転倒だし、赤字が続けば必ず何処かに軋轢が生じるはず。仮に破綻でもしたら元も子もない。
また、届いた返礼品に「モノが違う」などとクレームする納税者がいると聞く。彼らが納税と通信販売を混同している時点で既に問題だが、本来ならそういう問題が起こった時点で改変する必要があるはずだ。しかし安倍政権は減税される寄付額の上限を倍増し、この仕組みを更に普及させようとしている。これでは地方創生の名を借りた、単なる高額納税者優遇措置に過ぎない。
ブームに便乗せず、地道に税務処理をしている役所の職員や、村のためと説得され、儲けなしで返礼品を提供している生産者などにとっては、タックス・ヘルとでも言いたいのではないだろうか。
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