2012年10月2日火曜日

雑食動物のジレンマ

(著書の中から、抜粋したモノや自分が思ったことなど無作為に書き殴る。↓)

人間の脳が大きく複雑に進化したのは、自然界にあるモノは何でも食べられる(そしてそれを食したことによって死に至る)という雑食動物のジレンマに対処するためだと考える人類学者は少なくない。

バラエティーに富んだ多くの食の選択肢はある場合には逆にストレスを招くこともある。
人間の文化はタブーや儀式、レシピやマナー、伝統や言い伝えによってそんなジレンマを解消しようとしてきた歴史がある。

「私が食べているコレは一体何処で生まれてどうやって運ばれてきたのか?」専門家に訊かなければならない程、現在の食環境は複雑で曖昧である。

合成窒素の発明は良くも悪くも地球を変えた。
これがなければ今生きている人間の5人に2人は存在しない。
しかし、この発明こそ農業が工業化した一番の要因でもある。

※TPPに参加したがる政治家が多いのは、結局(彼らの圧力団体となる)農家の数を減らしたいからではないかと勘ぐりたくなった。

人類を自然から転落せしめたのは工業化された農業である。

人間は自ら作りだした道具の、その道具に成り果ててしまった。(H・Dソロー)

「大農場の方が生産性は低くなる」
それでも何故大規模化させたいかというと、それは食品加工メーカーにとっては出来る限り少数の農家と大規模な契約を交わした方が効率が良いからである。
似たような発想で、日本政府はしきりに農地を大規模化したいのも、自分達にとって不利となる農家の数を減らしたいからである。

工業的オーガニックは徹底的に化石燃料を使う、殊に加工と運搬に…。

そもそもオーガニックが誕生したのは自然界の利に適った食を考え、太陽から肥沃性エネルギーを受け取る生態系に倣った食体系をつくることにあったが、安い石油の波に勝つことは出来なかった。

☆「放牧農家」という概念!牧草=太陽パネル

太陽の恵みを人間のエネルギーに変換する最も効率的な方法は、目の前に自生しているモノを食べることである。

人間が引き起こした温室効果ガスの1/3は農業に起因している。

ある動物が他の動物を食するとき、1cal摂取する度に9calが無駄に浪費される。

工業化で効率的なシステムは、反復・単純化することである。

工業的食物連鎖の過程では、生産者と消費者の間で共通してテーマになるのは価格だけである。
つまり今の食体系は「無知と安価」がお互いを支えて成り立っているのである。

cf.フランシス・ムア・ラッペ「小さな惑星の緑の食卓」

禁断の果実はNPK(窒素、リン、カリウム)…p上197

※農家は元々、知らない人間なんかと商取引などするよりも、土や植物と付き合っている方が好きだから農家になったのであって、それを今更「6次産業」などというビジネスモデルの旗手になれと言われても困惑するだけなのである。

雑食動物の幸運は地球上のあらゆるものを食べられること。
一方、不幸はどれが安全なモノなのかが誰にも頼れないことである。

cf.ピーター・シンガー「動物の解放」
現在の人間と動物の関係は優しさと野蛮さが共存する極度に矛盾した様相を呈している。

スピーシズム

☆肉食は唯の美食的志向ではない。セックスが唯の娯楽的志向だから止めるべきだという異見がナンセンスなのと同じように。

☆バーコードの付いていない食材だけで料理をつくる。
それはそれらの食材がどのようにして私の所に来たかを知ることである。
完璧な食事とはそんな全ての代償が支払われた、誰にも何の借りもないシンプルなモノなのではないだろうか?


雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史
マイケル・ポーラン
東洋経済新報社
売り上げランキング: 73,182

0 件のコメント:

コメントを投稿