2021年6月29日火曜日

ツール・ド・フランスとオリンピックの比較

いわゆるLe Tourが開幕した。
1stステージを観る限り、コロナ禍以前のお祭りムードが戻ったようで羨ましい限りだ。
有閑マダム達のおしゃべりはスルーで牛丼屋の一人酒がNGとか、科学的根拠の全くない自粛要請に明け暮れ、社会全体が閉塞状態の何処かの国とは雲泥の差である。

またこれだけの世界的イベントなのに、日本ではスポーツ紙でさえ報道されることはない。
ところが今年はOpi Omiおばさんが、朝のワイドショーでも取り上げられているらしいから
皮肉なものである。
いずれにせよ件のおばさんは、一日も早く警察に出頭し、然るべき罪を償って頂きたい。
※「むしろ警察に出頭したほうが安全。そうしないと血の気が多いファンからボッコにされるゾ」と誰かがtweetしていたが正しくその通りだと思う。

閑話休題…

ツールは、オリンピックやFIFAワールドカップと並び、世界三大スポーツイベントと称されることもある。
人によってはツールの代わりにラグビーWCやスーパーボウルを挙げるので、三大イベントの定義は定かではない。
しかし東京五輪の招致から今日現在までのすったもんだを見て、寧ろオリンピックこそ、その座に相応しくないと思うようになった。
以下にその私見を述べる。

★その1
ツール(サッカーやスーパーボウルはそれ以上だが)はファンの熱狂ぶりが凄いし、主催者側も彼らを蔑ろにすることはない(というか出来ない)。
ファンと選手が一番で、主催者は(少なくても見た目上は)裏方に徹している。
ところがオリンピックは、その図式が全く逆であることが今回のドタバタ劇で露呈した。
イベントはIOCと各国首脳、協賛企業などのお偉方の見世物であり、選手は客寄せパンダ、観客に至ってはエキストラ扱いである。
今回、そんな現実を気付かせてくれた関係者各位には感謝すべきかもしれない。

★その2
ツールには、わざとらしい「感動を有難う」的な演出は一切必要ない。
絶叫する実況者や、知ったか振りの解説者も邪魔なだけだ。
3週間走り続ける有りの儘を見るだけで十分にその凄さを実感できるし、個人的にはフランスの田園風景や古い町並み、お城や教会建築を観ているだけでも十分に楽しい(あっという間に4時間くらい過ぎている)。
※序に言えば、ツールは選手にコンドームを配布する必要もない。と言うかそんな余裕もない。

★その3
自転車競技そのものは至ってシンプルで、畢竟、舗装道路があればそれで良い(時にはわざと石畳の道を走らせたりはするが…)。
ところがオリンピックは競技場だけでなく選手の宿泊施設まで建てなければならない。
その金額は莫大なものとなるし、その利権に群がるハイエナ達も多い。
当初は「コンパクトな大会なので費用は多く見積もっても8千億円」と言っていたが、今ではそれが軽く3兆円を超えると言う。
その責任は曖昧なまま、メディアも某を追求することなく、結局そのツケは都民を始めとする国民が払う。
現状は開催云々や観客数云々で喧々囂々しているが、僭越ながら都民の方々はこういう根本的な所で憤怒すべきだと思う。

★その4
フランスの子供たちにとって、ツールの選手たちは身近なスーパーヒーローである。
自分たちが普段遊んでいる自宅前の道路を、自動車と同じ位の速さで駆け抜けていくのだから、それは圧巻だろう。
しかし今のオリンピック選手に、その役割が出来るかというと甚だ疑問である。
彼らを非難する訳ではないが、彼らの殆どはスポンサーの広告塔と化している。
「応援よろしくお願いします」とテレビ画面を通して言われても、子供たちには実感が沸かないはずだ。
ましてや自分たちの運動会や遠足が軒並み中止されているのに、そんな大人達の見世物を見て感動する訳がない。
にもかかわらず時の宰相は「子供たちに夢と感動を与えられる(だから是が非でも開催しなければ)」と豪語する。
「バカも休み休み言え」である。

えにぃうぇい

今後もし電動アシスト自転車が主流になったとしても、ツール・ド・フランスをはじめとするロードレースはなくならないだろうと私は考えている。
CDや電子書籍が普及しても、レコード盤や紙の書籍の存在価値はなくならないのと同じ理屈である。
しかし、中国や新興国の国威発揚にしか用いられることのなくなったオリンピックに、その存在意義はもうない。
唯一、オリンピックでしか注目されることのないマイナー競技の普及という名目はある。
ただそんな方々には申し訳ないが、やはりこれ以上五輪貴族たちをのさばらせておくべきではないとも思う。

愚痴は尽きないので、この辺で…


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