結局、曲がりなりにも走れたのは6kmまで…。
バイク中に期待していた「ランなら違う筋肉を使って走れる!」という一縷の望みは叶い、痙攣だけなら騙し騙しゴールまで辿り着けそうな感じである。
しかし走ってみて気付いたのは着地時にその振動を吸収してくれるはずの大腿筋が全く機能しないことだった。
これまでの山下りや筋トレ練習の中で大腿筋が格段に弱いことは痛感していた。それを見て見ぬ振りをしていた自分が不甲斐ない。畢竟、何某の事故を想定外とした何某達と全く同じであると…。
anyway…
歩くことなら楽に出来る。
ただ沿道の人々があんなにも一生懸命応援してくれるのに歩くのは失礼だと思い、わざと"しかめっ面"で歩いた。
そしてその間、色々と考えた。
総合100位以内のシード権の夢はこの時点で砕け、あとは制限時間内の完走だけが焦点である。
「前回は歩かない」ことが目標の一つで、ちゃんと達成することも出来た。それに比べて今回は何と不甲斐ないのだろう。
途中、10km地点の畑野ASでブルーシートの上に仰向けに寝そべってみた。
またまた言い訳をすると、前回は此処のASなどドリンクをサッと飲む位で、全く立ち止まらずに通り過ぎた地点である。
「もう止めようか…」と思っていると、運動生理学を学ぶボランティアの学生から「ストレッチしましょうか?」との申し出があり、藁にもすがる思いで懇願。(これまで支持していた彦井氏のストレッチ不要論などはどこ吹く風…)
そう言えば前回はレースに夢中で余り実感出来なかったが、こんな状態になってようやくボランティアの人々や沿道の人々の優しさに気付くこととなったのは今回の唯一の収穫かもしれない。
そんなストレッチの最中、近藤真彦さんが全く立ち止まることなく涼しげな顔でエイドを通過していった。
以前の日記で私は「最低でも近藤マッチより先にゴールする」と茶化したことがある。
颯爽と駆け抜けていくマッチと、その勇姿をブルーシートに寝そべりながら眺める自分…。
こんな状態になってようやく、自分がこれまで如何に天狗になっていたかを思い知ることとなる。
一応その後、ストレッチをしてくれた学生さんのためにもマッチを追いかけようと走ってみたが1kmが限界だった。
当然ながらマッチの背中など見るすべもなかった。
ようやく、この結果に潔く敗北を認め、次の大野WS(12.5km地点)で躊躇することなくアンクルバンドとゼッケンを係員に返却する。
2012年シーズンは来年のAタイプのシード権どころか、Bタイプの出場権すら無くして幕を閉じることとなった。
護送車を待つ間も日差しと暑さは相変わらずだったが、心の中では一足早い秋の匂いを感じることができた。
(おしまい)
追伸
途中経過をチェックして貰った皆様、と言うか私の方からチェックするようお願いした皆様には多大な御心配御足労を掛けてしまい大変申し訳ございませんでした。(「どんな状況でも完走だけなら間違いない」と豪語した私のせいです…)
また本戦出場の抽選に漏れた方に対しても失礼な振る舞いをした訳ですが、こないな人間にゴールゲートを潜る資格はないということで、どうか御了承戴けたらと願う所存でございます。
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