その壱
まずはスイムパートでのこと…延々とコースロープに跨りながら進んでいく若者がいた。
イメージとしては、アメリカ映画のストリップショーでステージの真ん中に立つポールを擦り擦りするストリッパーのような挙動である。
上手い具合にリカバリーした腕は水面から綺麗に出しているので、海上から見れば普通に泳いでいるように見えるだろう。
ロングジョンだったのでゼッケンをマーシャルにチクってやろうと思ったが、綺麗に(確信犯?)下二桁が消えていた。(1000番台なのは確か)
最初は相手にしないつもりだったが、不運にも私と同じスピードだったので並走するうちに段々腹が立ってきて、結局リカバリーする彼の手を握り「卑怯だぞ!」と叱咤した。
その後しばらく彼の姿は見えなくなったが、二周回目の途中に再度彼の姿をコースロープ沿いに発見したときにはもう開いた口が塞がらなかった(彼のお陰で今年は例年以上に海水を飲んだような気がする)。
その弐
次は佐渡では有名な(?)ドラフティング祭り。しかし、今回発見したコバンザメのオジさんはそんな可愛いモノではなかった。
この方に関してはゼッケンもハッキリ判別出来た。名簿を見る限りは関西地方から参加されたの50歳台の男性である。
彼は前の人にピッタリくっ付いて追走していた(もちろんアイアンマンなら失格級の違反)。
最初はそんなアホに注意しても意味がないので、寄生されている前の人に「後ろの金魚の糞は誰ですか?」と聴こうとも思ったが、そんなアホに構う人間もアホだと思い直し何も言わずに追い越すことにした。
しかしその後、私自身の脚の痙攣がハンパなく酷くなって悶えている最中、そのオジさんから再び抜かされることとなった。もちろん彼の前にはさっきよりも活きの良い人間を従えていた。
ブラボ~!
後日リザルトを見て笑ってしまったが、このオジさん、なぜかバイクだけは100番台の(異様なまでの)好成績。
ちなみにランは7時間以上(順位は500番台)の成績。
私は思う。
コースロープを手繰り続けた若者にはまだ未来があると。
今後レース経験を重ねることで、そんな過去の自分を自ら悔い改める機会もきっとあるだろう。
しかし残念ながらこのオジさんに未来はない(文字通りの未来もないが…)。
もうすぐ60歳というのに、ドラフティングというトライアスロンで一番恥ずかしい行為を何とも感じないのだから、恐らく死ぬまで何とも感じないだろう。
もしかするとこのおじさん、地元に帰れば「バイクの○○さん」で名を馳せているかもしれない。
私はそんな○○さんが、地元での大会の打ち上げでどんなレース談義をしたのかに非常に興味がある。
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