プロローグから、いつもの近藤節が???なような感じがした。
まず、あんな???な交通事故をきっかけにする設定が私は最後の最後まで解せなかった。村上に恩を着せるような設定はもっと他にもあるはず。それに少なくても私なら一年も自転車を乗れないようにした人間(例え自分にも過失があるとは言え)をそんなに易々とは許せないし…。
それに…
主人公のデビュー戦で、桜井に付いていこうとした主人公に桜井が「待った」を掛けた理由が私には判らなかった。まぁ単なる桜井の自己顕示欲ならば説明は不要だろうが、桜井はそんな卑猥な人間ではないはず。絶対に裏があって然るべきだが私にはその後の展開を読んでも理解できなかった。(もし、その回答がどこかにあったのなら是非御指摘ください)
もう一つ
自転車経験ゼロの人間が、数か月後にインカレで優勝できるのは余りにも飛躍し過ぎではないだろうか。サクリファイスの白石のように、高校時代に陸上でインターハイレベルの経歴があるならまだしも、今回の主人公ではかなり強引過ぎると思う。読み始めて間もなく、この本はマンガに慣れた中高生を対象にしたサクセスストーリーなのかと諦めた。
更に、もう一つ…
人物描写に定評のある著者なだけに、桜井と豊の存在が物語を濃いモノにするだろうと期待して読み進めていたのに、結局何も起こらなかったのは非常にがっかりだった。
私は当初、桜井の喘息はスポーツドーピングと関連したり、豊の嫉妬による何かがもっと主人公に襲い掛かってくると期待(?)していた。まぁこの辺は続編に期待したい。(白石までの三部作とはまた別の物語ができた訳だし)
序に、もう一つ…
最後のレースで、主人公の前輪がパンクした時、桜井は自分から進んでホイールを手渡すべきだったのではないだろうか。それが桜井の、亡き兄の呪縛から逃れられる手段だったと近藤氏が思い付かなかったとは到底思えない。
とにかく、インタビューで近藤氏自身も述べていたような気がしたが、どこかにミステリーめいた部分を一つや二つは付け加えるべきだったと私は思う。
以上から、これは近藤氏が描いた作品だとはどうしても思えない(思いたくない)し、もしそうだとしても、ビジネスとして強引に書かされたような気がしてならない。

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