2023年1月6日金曜日

先送りだらけの岸田内閣

岸田首相の最近の会見の中で、氏の訴える「先送りできない問題」の内容が私にはどうしても解せない。

まず敵基地攻撃能力が先送りできない問題だとして、それならなぜ日本は戦後80年近くそれなしで戦争に巻き込まれることがなかったのだろうか。それにその財源を法人や喫煙者だけに強いるのも不公平だし、国債で賄うとしたらそれはただ単に資金繰りを将来世代に先送りしているだけである。

また原子力発電の再稼働が先送りできない問題だとして、それでは放射性廃棄物の処理を数万年後の世代にまで先送りするのは許されるのだろうか。もしメルトダウンが起きたとして、政府にその責任を取る覚悟はあるのだろうか。どうせまた「想定外だった」として先送りされるだけだろう。

そして4日の年頭会見では、より様々な先送りできない問題を多数挙げていたが、旧統一教会と政治家の癒着、沖縄だけに偏った在日米軍基地、全く進展のない北朝鮮の拉致問題などは一切触れられていなかった。国民の支持を集めやすく聞こえの良い問題だけを訴え、政府には耳の痛い話や複雑で取り組みにくい問題は世論に忘れられるまで先送りする。私はそれがどうしても解せないのである。

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