私はオリンピックの開催地が東京に決まってからの世間の熱狂振りに一抹の不安を感じた。
まず一つはオリンピックを体裁よく成功させたいと願う国や自治体が、この熱狂に便乗して町の景観や自然環境を蔑ろにしてでも施設や交通網の建設を強引に進めようとする不安である。実際に私達には国の記念碑的価値がある日本橋の頭上に高速道路の高架橋を平然と掛けた経歴がある。恐らく当時も反対意見はあっただろうが、大多数の賛成意見と今回のような世論の勢いに屈したのではなかろうか。そんな二の舞だけは繰り返してはならない。
もう一つは私達がお祭りムードに酔いしれる間に、私達には不利となる様々な法律や政策の改正が密やかに推し進められて行くかもしれない不安である。私はこれほどまでに安倍さんのシナリオ通りに物事が進行している現状が怖くて仕方がない。まるでミヒャエル・エンデの童話の世界に迷い込んだような気分だ。大抵その後は知らぬ間に相手の術中にハマっていくのが物語の流れである。ならばそうならないためにはどうするか。それには相手の動きを注意深く観察し、国の繁栄などと引き換えに私達のもっと大事な何か、例えば良心を決して相手に譲り渡してはならない。それだけはどうか皆さんも忘れないで戴きたい。私は切にそう祈る。
表題の本を読み、その当時は五輪に異を唱えるだけで非国民と罵られるような風潮にあるとは思わなかった。
※その当時は佐渡が終わったばかりでその余韻に浸りきりとなり、世間の空気なんてどうでも良かった。
上の投稿も、文章力云々はさておきそれ以前に論旨で採用されることはなかったのだと思うと何となく安堵した。
しかし、それにしても…
三氏のような意見がなぜもっと一般意思にならないのかが、私はどうしても理解できない…。
それとも、絶対に主流にはなれない(なってはならない)、しかし大変動が起こった時にはレミングの群れとは逆方向に逃げて生き残り、結果的に種の保存に役立つだけの発想なのだろうか…
内田樹 小田嶋隆 平川克美
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