最初は判り易いディストピアものだと思っていた(私は無上春樹の「世界の終わり」と重なった)が、中盤以降の展開にチトがっかり。もちろんハッキリとさせないことで深みを増してもいるが、なぜ移住しなければならなかったのか、新世界の仕組みがどうなっているかなどはもう少し詳述しても良かったような気はする。
また、イネスとの出会い方が唐突過ぎるし、アナ、ダガ、エウヘニオとの関係がいまいち判然としないが、これらは聖書など西洋の歴史知識と教養があれば明瞭なのかもしれないし、続編のお楽しみということかもしれない。
とは言うものの、文中の引用、寓話、哲学談義などは稚拙な私でも知的好奇心をくすぐられたりして、さすがノーベル賞作家だとも思った。
続編の日本語版が非常に楽しみ。
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